カンボジアの世界遺産タ・プローム遺跡で、寺院を飲み込むように生えていることから有名なガジュマロの木(榕樹)131本の保存に、デーラードゥンの森林調査研究所(Forest Research Institute:FRI)およびインド考古学研究所(Archaeological Survey of India:ASI)のインド人科学者らが貢献した。
同科学者チームは、インド外務省の主導する技術および経済協力プログラム(Indian Technical and Economic Cooperation Programme:ITEC)の一環として2007年よりタ・プローム遺跡における榕樹の保護、および12世紀クメール朝時代に建造された寺院群との共存に取り組んできた。
歴史的に重要な遺跡と、それを飲み込むように生える世にも奇怪な木々が印象的な同遺跡では、1996年の「Tomb Raider」など数々の映画の撮影なども行われている。
榕樹は高さ平均40~80メートル、中には太さ3メートルを超えるものもあり、見る者を圧倒する景観を造っている。
しかしながら研究を指揮したFRIの科学者によると、調査当初、多くの観光客によって榕樹は踏み荒らされた状態になっており、また虫食いで空洞状態になっているものもあるなど、一部は危険な状態だったという。
研究チームは、木の中に開いてしまった空洞にポリウレタンフォームとワックスを充填、続いて環境に配慮した素材(木から抽出したオレオレジンなど)を使用して、樹木の幹や茎、根の腐った部分を治療していった。
また、根の露出した部分は土で覆い、傷ついた木肌の表面には抗真菌性防腐薬を使用して定期的に表面処理を施し、傾き過ぎている木には支柱を当てるなど、できる限りの努力をし、かつ一連の措置が終了する2014年以降は、現地の人員で保護活動を継続して実施していけるような研修も提供している。
インドの考古学研究チームはカンボジアにおいてはアンコール・バット(Angkor Vat)遺跡の修復などにも協力を提供、またFRIはインド国内においてはボドガヤーの菩提樹などの修復にも携わっている。